名曲名盤ベスト3 マーラー/交響曲「大地の歌」

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マーラー/交響曲「大地の歌」

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名曲名盤ベスト3 マーラー/交響曲「大地の歌」

1908年の夏、グスタフ・マーラー(1960−1911)が48歳のときに、交響曲「大地の歌」は完成した。その前年、10年間勤めあげたウィーン宮廷歌劇場の音楽監督を退いたマーラーは、アメリカでの指揮活動に入っていたが、愛娘を病気で失い、妻アルマの不倫が発覚、自らも心臓疾患を悪化させ、フロイト(精神分析医)の診断も受けていたという。極度の鬱状態だったと憶測されるが、そんな精神状態のなかで書かれた「大地の歌」は、ハンス・ベートゲがドイツ語訳した、李太白、王維など中国詩人による詩集「支那の笛」からテキストを得た「リート交響曲」である。
歌詞にウエイトを置いた楽曲なので、簡単ではあるが以下に詩の内容を並べておく。

第1楽章・大地の悲しみに寄せる酒の歌 「悲しきことに、大地は永遠だが人生は短い。金色に輝く酒を、今こそ飲み干そう。生は暗く、死も暗い」(李太白)
第2楽章・秋に淋しき者 「私は孤独のなかに死を思う。安らかな死を。嗚呼、希望よ、おまえはもう再び帰ってくることはないのか」(銭起)
第3楽章・青春について 「小さな池の水面に、すべてが逆さまに映っている。緑と白の陶器でできた四阿(あずまや)。友は美しく着飾り、おしゃべりしたり、詩をつくったり。そして酒を飲んでいる」(李太白)
第4楽章・美について 「金色の太陽の陽を浴びて、湖畔の花を摘む乙女。駿馬に乗って駆ける少年に、憧れの眼差しをおくる。その瞳の中に秘められた、炎の如くゆれる想い」(李太白)
第5楽章・春に酔える者 「人生がいっときの幻にすぎぬのなら、努力や苦労に何の意味があろう。それより飲もう、酔いつぶれて飲めなくなるまで終日酒に溺れよう」(李太白)
第6楽章・告別 「陽が沈み、冷え冷えとした夕闇が忍び寄ってくる。友よ、現世に私の幸福はなかった。私はひとり淋しく山に彷徨い入る。疲れ果てた孤独の魂に救いをもとめて、今こそ故郷に帰っていく。しかし春になれば大地には再び花が咲き乱れる。樹々は緑におおわれて、世界の涯までも永遠に輝きわたる。永遠に、永遠に……」(孟浩然と王維)

人の命が一過性のものなら、人生になんの意味があるだろう。人は生まれ、やがて死ぬ。それでも太陽は東から昇り、西に沈む。自然の営みは大地に繰り返される。永遠に繰り返される。
テノールとコントラアルト(またはバリトン)の独唱と管弦楽により演奏される六つの楽章には、飲酒を讃えたものや青春の歓喜を歌ったものもあるが、作品世界を支配しているのは諦観の思想であり、第1楽章と全体の約半分を占める最終楽章が、すべてを物語っている。マーラーは作曲中、弟子のブルーノ・ワルターに、「これを聴いた者のなかから自殺者がでるのではないだろうか」と心配していたらしい。ベスト・レコードは、誰が第6楽章を歌っているのかによって選択が左右される。

ベートーヴェンやブルックナーが、「交響曲第9番」のあと「第10番」を書けないまま他界してしまっていることから、縁起を担いだマーラーは、9番目の交響曲を「第9交響曲」とせず「大地の歌」と命名した。しかし、続く「第9交響曲」(実際には10番目の交響曲)を書きあげたのち、1911年に51歳でこの世を去ってしまった。「大地の歌」はマーラーの生前には演奏されたことがなく、彼の死後、1911年11月20日に、ブルーノ・ワルターの指揮によって初演されている。

バーンスタイン指揮ウィーン・フィル Amazon-Associates

レナード・バーンスタイン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

(Decca/London) 1966年録音

この曲は、「テノールとアルト(またはバリトン)の独唱と管弦楽により演奏される」と解説されているが、ここに紹介しているディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ以外のバリトン歌手が歌っているのは聴いたことがない。たぶん例外的なものだと思うが、このフィッシャー=ディースカウが実に素晴らしい最終楽章を聴かせてくれる。テノールはジェイムズ・キング。1967年度レコード・アカデミー賞を受賞している名盤。
最終楽章は(詩の内容と曲想から)男声のほうが良いという意見は、この1枚が存在するから。但し、太く重い男声ばかりが続くのは鬱陶しいと感じられる方のために、次の2枚がある。

 
ワルター指揮ウィーン・フィル Amazon-Associates

ブルーノ・ワルター指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

(Decca/London) 1952年録音

初演を指揮したブルーノ・ワルターには4枚のレコードがあるが、1960年にステレオ録音されたニューヨーク・フィル盤とどちらにしようか、ずいぶん迷った。
今回CD化された1952年録音盤は、24ビット・デジタル・リマスタリングにより、モノラルながら見違えるように透きとおった音質になっている。カスリーン・フェリアー(アルト)による最終楽章は幻想的かつ耽美的。ユリウス・パツァーク(テノール)も皮肉っぽいニュアンスがあって面白い。ウィーン・フィルの演奏は表情豊かで、エレガントな香りさえ漂ってくるようだ。
フェリアーとワルター指揮ウィーン・フィルによる「リュッケルトの詩による5つの歌曲」より、3曲がボーナス収録されている。

 
クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団 Amazon-Associates

オットー・クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団

(Angel/EMI) 1964年/1966年録音

重く厚く深く、緊張感でピリピリした「大地の歌」。硬い質感は先のワルター盤と対照的。クリスタ・ルートヴィッヒ(メゾ・ソプラノ)の最終楽章が圧倒的な名演で、抑制された感情が涙を誘う。
テノールのフリッツ・ウィンダーリッヒは、この録音の直後(1966年9月)に不慮の事故で亡くなっている。

 

[Another Disc]

マーラー/交響曲「大地の歌」 (輸入盤)  グスタフ・マーラー
レナード・バーンスタイン  ブルーノ・ワルター  オットー・クレンペラー

[楽譜 Sheet Music & Scores]

マーラー  交響曲「大地の歌」  (輸入スコア)

[コラム]

バーンスタインのマーラー交響曲 (2005年12月29日)
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