名曲名盤ベスト3 オルフ/世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」

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オルフ/世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」

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名曲名盤ベスト3 オルフ/世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」

1803年、バイエルン州ボイレンにあるベネディクト教団修道院が国有化された際、書庫の中から12〜13世紀に書かれた約300編の詩が発見された。これらの詩編はJ・A・シメオンによって編纂され、1847年に「ボイレンの歌(カルミナ・ブラーナ)」という題で出版された。
20世紀初頭、ポスト・ロマン主義を模索していたドイツの作曲家カール・オルフ(1895−1982)は、友人から紹介された「ボイレンの歌(カルミナ・ブラーナ)」に刺激され、それらの詩編をテキストに、1937〜1951年に「トリオンフィ(勝利)」三部作と呼ばれるカンタータを作曲。単純な和声とリズム、素朴なメロディの反復などを特徴とした、独自の音楽を確立した。
世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」は三部作の第1作目で、「楽器の伴奏をもち舞台場面によって補われる独唱と合唱のための世俗的歌曲」の副題が付けられている。演奏の編成は、通常のオーケストラに、チェレスタ1、ピアノ2、ティンパニ5、その他打楽器群に5名、3名の独唱(ソプラノ、テノール、バリトン)、合唱3(大合唱、小合唱、児童合唱)。1937年6月8日、フランクフルト・アム・マイン市立劇場にて初演。衣装をつけた歌手と合唱団が舞台に並び、曲の進行にあわせてバレエが踊られるのが本来の上演形式だが、近年はコンサート形式での演奏が多くなってきている。
オルフはナチス党員と誤解されていた(「カルミナ・ブラーナ」初演はゲッペルスが率いる文化宣伝省によってなされていたし、オルフ自身もナチスから国庫補助金を受け取っていた。また ヒットラーユーゲント少年団の音楽教育にも熱心だった)ため、第2次世界大戦後しばらくの間、この楽曲は演奏される機会が少なかった。レコードもほとんど録音されていない。それが近年、テレビや映画などに頻繁に使用された影響からか、よく演奏されるようになった。昨年(2004年)大晦日のジルベスター・コンサート(サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル)を、衛星生中継でご覧になった方も多いと思う。

さて、このようにポピュラーな人気を得てしまった「カルミナ・ブラーナ」だが、まだ誤解している人も多いようなので、余計とは思いつつ、これだけはキチンと明記しておく。
「カルミナ・ブラーナ」はオカルティックな悪魔崇拝の音楽ではない。
映画「オーメン」の音楽(作曲はジェリー・ゴールドスミス)を説明するのに、この楽曲を例にしている評論家がいるせいだろう。「カルミナ・ブラーナ」を怖い宗教音楽と思いこんでいる人がいらっしゃるようだ。
原詩は中世に書かれたもので、発見されたのは修道院の書庫だが、歌詞に宗教色はほとんどない。「オーメン」に曲想が似ているのは、プロローグとエピローグにある「全世界の支配者なる、運命の女神よ」だけだ。

では、「カルミナ・ブラーナ」の内容はどういうものかというと……思春期の到来に心ときめかせ(第1部「初春に」)、酒に酔い(第2部「酒場にて」)、恋愛に夢中になる(第3部「愛の誘い」)……酒と女とセックスをモチーフとした、躍動感に満ちた青春(生命)賛歌の音楽である。表現はかなり露骨で、特に第3部は中学生以下立入り禁止にしてもよいくらいだ。しかし、卑猥ではあるが淫靡さは微塵もない。いつの世も変わることない恋と酒を謳歌する青春の歓びが、堂々と開放的に謳われ、健康的なエロスに昇華されている。
原詩はラテン語や古代ドイツ語、および古代フランス語なので、詳しく知りたい方は国内盤CDに添付されている対訳歌詞カードを参照していただきたい。

オイゲン・ヨッフム指揮 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 Amazon-Associates

オイゲン・ヨッフム指揮 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団

(Grammophon) 1967年録音

作曲者オルフ自身の監修により録音された、エネルギッシュな名盤。オーケストラと合唱とが一体となって、陽性のエロスを大らかに熱演。シュトルツェの「炙られた白鳥の歌(かつては湖に住みし我)」は愉快極まりないし、ヤノヴィッツの「ゆれ動く、わが心(天秤棒に心をかけて)」も女心を絶妙に表現。フィッシャー=ディースカウは余裕たっぷりの安定感でクダを巻く(「予は大僧正様であるぞ」)。3人の独唱者がそれぞれに、まるで歌舞伎の如きケレンに満ちていて素晴らしい。
やや時代を感じさせる60年代のアナログ録音が、図太く力強いエネルギーを伝えてくれる。

グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、ゲルハルト・シュトルツェ(テノール)、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団、シェーネベルク少年合唱団

 
リカルド・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団 Amazon-Associates

リカルド・ムーティ指揮 フィルハーモニア管弦楽団

(Angel/EMI) 1979年録音 輸入盤

緩急強弱にメリハリを利かした、シャープでダイナミックな演奏。冒頭の「運命、世界の王妃よ」のテンポの変化はちょっとやり過ぎかと思うくらいに強引だが、ヨッフム盤のように熱意のあまりリズムを踏み外してしまうようなことはない。独唱陣にもう少し芝居ッ気があれば、ヨッフム盤を凌駕していた。
4半世紀前のアナログ録音だが、EMIのART(アビー・ロード・テクノロジー)によるデジタル・リマスタリングで、それと知らずに聴けばデジタル録音と間違えるくらいにキレのある高音質になっている。

アーリン・オージェ(ソプラノ)、ヨーン・ハン・ケステレン(テノール)、ジョナサン・サマーズ(バリトン)、フィルハーモニア合唱団、サウスエンド少年合唱団

 
ジェイムズ・レヴァイン指揮 シカゴ交響楽団 Amazon-Associates

ジェイムズ・レヴァイン指揮 シカゴ交響楽団

(Grammophon) 1984年録音

合唱を交えた大編成で演奏される楽曲なので、ベスト選出は録音の善し悪しも決め手になる。先のヨッフム盤とムーティ盤がアナログ録音だったので、デジタル録音盤からも1枚選んでおこう。
メトロポリタン歌劇場の芸術監督に就任する2年前のジェイムズ・レヴァインが、全米ナンバーワン楽団のシカゴ響を指揮したグラモフォン盤。全体的にオペラ(というよりミュージカル)っぽい感覚で演奏されている。米国のオケという色眼鏡からだろうか、第1部の「踊り」などはロデオ大会みたいな印象。
ソプラノのジューン・アンダーソンはニューヨーク・シティ・オペラで「魔笛」の夜の女王役でデビューしただけあって、「私の愛しいお方」を綺麗なコロラトゥーラで聴かせてくれる。

ジューン・アンダーソン(ソプラノ)、フィリップ・クリーチ(テノール)、ベルント・ヴァイクル(バリトン)、シカゴ交響合唱団、グレン・エリン児童合唱団

 

[Another Disc]

オルフ/世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」 (輸入盤)  カール・オルフ
オイゲン・ヨッフム  リカルド・ムーティ  ジェイムズ・レヴァイン
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