名曲名盤ベスト3 ラヴェル/ボレロ

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ラヴェル/ボレロ

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名曲名盤ベスト3 ラヴェル/ボレロ

「どちらを信じればよいのだろうか、職人をだろうか、詩人をだろうか? たくさんの精密機械を操作する技師をだろうか? それとも情熱的な抒情詩人をだろうか?」 (ジャンケレヴィッチ著「ラヴェル」よりの引用)

極めて精密に細部まで設計され、精巧なテクニックで組み立てられている……それがモーリス・ラヴェル(1875−1937)の音楽の特徴だ。
ラヴェルは優れた管弦楽作品を数多く残しているが、そのなかでもとりわけ有名なのは、1928年、パリで初演されたバレエ音楽「ボレロ」だろう。二つの短いテーマを楽器の編成だけ変えながら、不動のリズムで延々18回(AABBx4回+A+B')も繰り返し、最後の2小節で急転直下に転調して終わる。ただそれだけの音楽。一歩間違えば冗談としかとられかねない旋律の反復が、ラヴェルの手にかかるとカラフルな輝きを放ち、またたく間に聴衆を引き込んでしまう。そしてフィナーレでは、誰もが興奮に鼻息を荒くしてしまう。……「オーケストラの魔術師」と呼ばれる由縁(ゆえん)である。
しかし、これは偶然のひらめきや思いつき、まして魔術(マジック)で作られた音楽ではない。意図的な計算にもとづいて構築された、一見単純な外見をもった、精緻なロジックなのだ。

創作者には2つのタイプがある。ひとつは、自己の内部にある思想や倫理観、あるいは感情といったものを作品をとおして世間に表出するもの。ベートーヴェンやマーラーがそういったタイプだ。もうひとつは、内面をダイレクトに表すことを拒み、技術(テクニック)だけで作品を創出するもの。ラヴェルが後者のタイプであることは言うまでもない。創作のテーマは作品のなかにのみ存在し、作曲者と作品は切り離されている。
これはどちらがより優れているなどと比較すべき事柄ではない。作曲家の創作動機がどこにあるのかを探るための、方便である。
ベートーヴェンに「ボレロ」を聴く機会があったとしたら、どんな感想をもったことだろう。「同じ旋律を18回繰り返す? だから何だというのだ、それで人類が幸福になるのか?」……とでも言っただろうか?
ストラヴィンスキーは、ラヴェルのことを「スイスの時計技師」と呼んでいた。

アンドレ・クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団 Amazon-Associates

アンドレ・クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団

(EMI) 1961年録音

永遠の名演奏と定評のある、クリュイタンス&パリ音楽院によるラヴェル名曲集の第1集。匂いたつような木管の響きは、どんなに歳月を経ても色あせることはない。エスプリの香りにむせぶアロマ・ヴァージョン。
パリ音楽院管弦楽団は後述するパリ管弦楽団の前身で、結局、推薦盤3枚が同じオーケストラの演奏になってしまった。1枚くらいはカラヤンとかショルティによる近代オケらしい(デジタルっぽい)「ボレロ」を混ぜ込もうかと、一瞬考えたが、やめた。いくら音質優秀なレコードであっても、20世紀初頭の香りが感じられない演奏では、作曲者の意図が充分に表現されているとは思えないからである。ラヴェルのデジタルな計算式を、オーケストラが草書体の言葉に置き換える。そこにこの曲の妙味が生まれる。そんなわけで、多少録音の古さはあるけれど、今もってこのクリュイタンス盤がベストなのである。
第1集は「ボレロ」の他に、「スペイン狂詩曲」と「ラ・ヴァルス」が収録されている。

「第2集」収録曲……バレエ組曲「ダフニスとクロエ」全曲
「第3集」収録曲……「マ・メール・ロワ」全曲、「高貴で感傷的な円舞曲」
「第4集」収録曲……「クープランの墓」、「古風なメヌエット」、「道化師の朝の歌」、「海原の小舟」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」

 
シャルル・ミュンシュ指揮 パリ管弦楽団 Amazon-Associates

シャルル・ミュンシュ指揮 パリ管弦楽団

(EMI) 1968年録音 NicePrice!

最晩年(急死する1ヶ月前)のシャルル・ミュンシュが、創設されたばかりのパリ管を指揮した、ラヴェル管弦楽名曲集。
スローな出だしに驚かされる。普通15分前後の演奏時間が、これでは30分くらいかかるのではと心配するほどにスロー・テンポ。それが全体の3分の2を過ぎあたりから徐々に加速され、結局17分03秒で終盤を迎える。じっくり耳を傾ければ傾けるほど、ラストの興奮が高まるエキサイティング・ヴァージョン。
「ボレロ」の他に、「スペイン狂詩曲」、バレエ組曲「ダフニスとクロエ」第2番、「亡き王女のためのパヴァーヌ」が収録されている。

 
ジャン・マルティノン指揮 パリ管弦楽団 Amazon-Associates

ジャン・マルティノン指揮 パリ管弦楽団

(EMI) 2枚組輸入盤 1974年録音 NicePrice!

ジャン・マルティノンによるラヴェル作品集。
初夏のシャンゼリゼ通りを颯爽とした足取りで散歩しているような、華やかで快活なリフレッシュ・ヴァージョン。3枚のなかでは一番録音が新しいだけあって、演奏にマッチした明朗な音質。
「ボレロ」の他に、「海原の小舟」、バレエ組曲「マ・メール・ロア」全曲、「道化師の朝の歌」、「スペイン狂詩曲」、序曲「シェヘラザード」、「ラ・ヴァルス」、組曲「クープランの墓」、「古風なメヌエット」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、「高雅にして感傷的なワルツ」が収録されている。

 

[Another Disc]

ラヴェル/ボレロ (輸入盤)  モーリス・ラヴェル
アンドレ・クリュイタンス  シャルル・ミュンシュ  ジャン・マルティノン

[楽譜 Sheet Music & Scores]

ラヴェル  「ボレロ」  ラヴェル(輸入スコア)

[コラム]

ラヴェルの管弦楽曲集 (2006年04月26日)
ボレロな春の日 (2006年03月17日)
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